りんごのほっぺ
どういう流れでこんな事になったのだろう。何で3つの願い?謎すぎる。
この時ばかりは赤面症の私でも那智さんの顔が直視できた。
……あ、右の目元に泣き黒子がある。
って、いやいや。そんな小さな発見はどうでもよくて。理由を、理由を聞かなければ。
「…どーしてお願いを聞いてくれるんですか?」
待ってましたとばかりに那智さんは楽し気に話し出す。
「昨日も今日を俺を助けてくれたからだよ。だからお礼に3つの願いを叶えてやるんだ」
いや、だから、何で3つなの?
なんて食い気味に質問できる訳もなく。
また遠慮がちに質問した。
「助けたのは分かりましたけど昨日と今日の分で2つですよ、ね?何でお願いが3つもあるんでしょうか…?」
声を振り絞って最大の疑問である3つの願いの”3つ”の理由を聞いてみた。
すると那智さんは顔をくしゃっとさせて、爽やかに、無邪気に笑った。
「それはな俺がランプの魔人だからだ!」
那智 麟之助はどこまでも馬鹿であった。
《 シュレック、ランプの魔人を手に入れる。》
なんたる押し付けがましい恩返しなんだ…!