りんごのほっぺ
「林檎ちゃん?何?チッカのシリアイ?」
「ううん!麟ちゃんのシリアイだよ!」
「っえ。麟之助の?」
少し驚いた様に那智さんを見る怪物Aさん。それに答えるようにして、こくこく、頷く笑顔の那智さん。
怪物Aさんは再び私に視線を戻すと上から下までくまなく観察してから、ふうん。と声を漏らした。
「俺は水渡 円香(みずわたり まどか)。宜しく林檎ちゃん」
怪物えい…じゃなくて、水渡さんはニッコリ笑った。
ああ!また林檎ちゃんで名前が広まってしまった!
私は黄緑 緑という残念な名前があるというのに。早く本名を言わなければ…、!
「…よ、よろしくお願いします、っあの、私は黄緑、」
「何々?麟がシリアイ連れて来たの?」
教室の奥からもう一人、那智さんの愉快な仲間が現れた。
…っで、でか!第一印象はそれに尽きた。
それは背丈とかの話じゃなくて。背丈ならたぶん那智さんのが上。なんか、こう、この人は筋肉的にムキムキだったのだ。
例えるならそう!キン肉マンみたいな!
髪色は柔からなジンジャーオリーブ。わしゃわしゃとした男らしい無造作ヘアー。一重の猫目に、形の良い鼻と、形の良い唇から覗かせる鋭い犬歯がギラギラしていて。やや黒い健康的な肌。分厚い胸板に、太い腕。背丈は180㎝丁度くらい。
ザ・マッチョ!漢の中の漢ぉ!みたいな男の子だった。