りんごのほっぺ



この提案をきいて全身の毛穴からSOSが発信された。ぶるぶる震えが止まらない。

一瞬、頭の中で人前に出る私を想像して死んだ。即死した。想像しただけでも泡を吹きそうだった。



「…っやだ!やだやだやだ!無理無理!無理です!それだけはご勘弁を、」

「ふむふむ、なるほどなるほど。キュウちゃんすっげえ頭良いな!見惚れちゃったぜ!」

「まあ、それが一番理想的な解決策だよねー」

「確かにメンエキリョクって大切だね!」



咄嗟に反対の声を上げたけれど、またもや呆気なく掻き消される私の色々な意味で無力な声。くっそう!腹筋を鍛えとくべきだった…!


話があらぬ方向へとどんどん進んでいく。


このままではメンエキリョクの為に私は人前という名の地獄に晒される事になってしまう。

なんとしてでも、なんとしてでも、黄緑 緑の全力を、いや、生涯をかけてでも阻止しなければ!!!



「だけどいきなり人前に林檎ちゃんを放り出すのは可哀想じゃない?」



顔を真っ青にさせたり、真っ赤にさせたりして慌てふためく世にも奇妙な私を見た水渡さんが奇跡の助け舟を出してくれた。


──…って、天使だ!ここに天使がいる!ありがとうハイスペックエンジェル水渡さん!


その救済の言葉により、確かになー、と考えを改めようというナイスな風がなびき始める。


…よっ、良かったああああああ!これで人前に晒されずに済───



「じゃあさ手始めにカラオケで慣らしてみるのはどう?これなかなか粋な案じゃね?」



未だ諦めていなかったキュウちゃんが黄緑 緑を奈落の底に突き落としてきたのだ。






………ほわい?じゃぱにーずぴーぽー?
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