りんごのほっぺ
心の中で悪魔に取り憑かれたかのように激しく取り乱す。
頭は真っ白で、顔は真っ青の真っ赤で、名前は黄緑 緑で、私は大変な事になっていた。
一遍に5色。5色だ。5色もの色を同時に発動させているのだ。カメレオンもびっくり。私に弟子入りレベルだ。
「よし!林檎ちゃんのカラオケ好きが分かった所で答えは1つに絞られたな。これから皆でカラオケに行こう!そうと決まれば準備だ準備!」
那智さんはソファから立ち上がって帰る支度をいそいそと始める。那智軍団の皆も那智さんの言葉を合図にせっせと動き始める。
一人、訳も分からず取り残された私。
……な、何?なになに?え?どうなってんの?どいうこと?この流れは何?私今夢でも見てんのかなあ?(強く頬を抓る。)………ああ、いたひ。
……。
……………。
夢じゃねえええええええ!よしじゃねえええええ!
「じゃ、いこーか!林檎ちゃん」
那智さんの信じられないくらいの良い笑顔が視界に映る。
ドウシテ、コウ、ナッタノ。
そうして拒否する事を許されぬまま、那智さんに腕を捕まれ、三度目の拉致をされたのであった──……。
〈担がれないだけまだマシだと思えた私はすでに那智軍団の信者。〉
《 シュレック、那智軍団に弄ばれる。》
きっとこれは夢なんだ。