りんごのほっぺ
第7話 作戦実行 地獄のカラオケ編
皆様、どうも、こんにちは。黄緑 緑です。緑(みどり)と書いてロクです。人前に出るとちょっぴり頬を赤く染めちゃうりんごほっぺ系女子高生やってます。
好きな物はチーズケーキとダウニーの柔軟剤と天体観測。座右の銘は急がば回れ。安全第一、安泰ウェルカム、平和万々歳!
そんな座右の銘を持つはずのりんごほっぺ系女子高生は、今。平和とかけ離れたちょっとスパイシーでちょっとクレイジーな現実に直面している。
……ていうか”ちょっと”所の騒ぎじゃなかった。
「おぉおれはりんちゃぁあ〜ん、がぁあきだいしょお〜〜〜!!」
目の前にジャイアンが降臨しているのだ。
──・・・•鼓膜をぶん殴られるような暴力的な駄音に頭がカチ割れそうだった。
両の手で両の耳を塞ぎ、ぐぐっと顔を歪ませながら、マイクを片手に気持ち良さそうに歌を披露する那智さんを睨みつけた。
いや”歌”っていうより叫び声?そもそも音楽がかかってない。エアーカラオケである。
カラオケに到着し、部屋に案内されるなりこのザマだった。
だけれども。この流れがいつものパターンなのか、水渡さん達は特に気にする事もなく平然として様子でメニュー表を見ていたのだ。
……まじで? 慣れとは本当に恐ろしい。
ドリンクとフードが決まるとキュウちゃんが率先して注目してくれた。
その間も那智さんは永遠と一人エアーカラオケリサイタルを続けていて、開始早々、耳がヘロヘロになる。