りんごのほっぺ
「てか何でおめえら帰る支度してんだよ」
「…っえ、何でって、もう放課後なので…」
「あああん!?放課後だってえ!?」
食べてしまいそうな勢いで波切君の胸倉に掴み掛かった。案の定、波切君はあまりの恐怖に白目を向いて泡を吹く。
波切君、災難すぎる。シュレックの私が言うのもなんだけどドンマイ。
「遅刻したと思ってわざわざスクーターぶっ飛ばして警察振り払ってきたっていうのに…!何だよ放課後かよ来た意味ねえじゃん」
文句を垂らすだけ垂らすと波切君から手を離した。
苛立ちを分かりやすく表に出している侵入者は頭を掻きむしっている。
朝と夕方を間違えるってどんだけ馬鹿なんだろう。
それともおっちょこちょいなの?天然なの?
いずれにせよヤンキー、マジで怖い。
なんて思いながら侵入者を見ていると、ギロリ!!私と目があって。何故かロック、オン。
「おい、そこの女」
捕まった視線。固まった身体。動かない口。バクバク暴れ出す心臓。
カアアアアアアアアア!
急激に顔が赤くなった。得意の赤面症のお出ましだ。