りんごのほっぺ



『ヤバくなるのは誰! ──俺っ!俺っ!俺っ!Ole!Ole! Ah〜〜〜!! 真夏のJamboree レゲエ<砂浜<<Big Wave!!』



”Big Wave!!”で宙に浮く那智軍団。


そんな異常とも言える光景を目の当たりして、ジャイアン臭い声を聞いていたら、怯えるのも呆気に取られているのも馬鹿らしくなってきた。

全員が有頂天にノリノリだし、最高に楽しそうだし、何より超真剣に歌う那智さんが面白くて。むくむく笑いが込み上げてきた。



「…──っぷ、あはははっ!もう駄目!我慢できない!何なのもう!」



大爆音の中、大爆笑をかました。



那智軍団の魔法にかかった瞬間だった。

いや、中毒?麻痺?じわじわ犯されるドラッグみたいな。身体が痺れていた。


生まれて初めての感覚。最早それは快感とも言える何かだった。


そんな私に気付いた那智さんが飛び跳ねながらこちらに手を伸ばしてきて、口パクで”イクよ?”と合図を送ってきた。


頭と心のストッパーが完全に外れた私は那智さんの手を迷わず取った。


そして────



『濡れたまんまでイッちゃってえええええ!』



全身全霊を賭けてイッた。
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