りんごのほっぺ
「…っ、これは、」
「これは?」
「…な、」
「な?」
”那智さんのせいです。”
なんて、言えない。絶対言えない。死んでも言えない。あー、駄目駄目!しっかりして黄緑 緑!しゅわしゅわ顔が赤くなる。
那智さんの背中に顔を埋めて隠れ蓑の術を取った。
そんな私を見て那智さんが愉快に笑った。
「俺はそんなりんごほっぺの林檎ちゃんが可愛いくてお気に入りだから治さなくても良いんじゃねえのって思ってるんだけどなー」
──・・・•っ!?
物凄い無意識なんだろうけれど、とんでもない爆弾が投下された。早鐘を打つ心臓。燃え上がる身体。詰まる息。乱れる呼吸。……し、死ぬる!!
那智さんの制服にしがみつく手がぎゅうっと強くなる。
そして、グリグリ、グリグリと背中に顔を埋めたのであった。
「……那智さんの馬鹿、」
「ん?何か言ったか?ていうか背中痛えぞ」
《そんな、不思議な夜の一時》
《2人きりの甘ったるい世界》
《昨日会ったばかりの金色と》
《赤面症の緑色。》
──この先の行方は、如何に?
《 シュレック、生まれて初めてが溢れる。》
まさに、それは、危険ドラッグ。