りんごのほっぺ
第2話 お届け者です
明日から私のあだ名は恐らくギンガムチェックになっている事だろう。
なんてたってパンツの柄がギンガムチェックだったのだ。
シュレックからの卒業とはいえきつすぎる。パンツの柄がギンガムチェックって…幼稚園児かよ。色気皆無…。
ここの学校の校則はいたってゆるいせいかこれ以上クラスメイト達から浮かない為にもと、できるだけカートは短くしていた。
まさかそれが仇になるとはね……。
ていうか。
「…おろっ、降ろしてください、!」
未だに那智さんに担がれたままだった。
降ろしてと訴えても那智さんは聞く耳を持たない。重たくないのだろうか。
って、いやいや、そうじゃない!パンツが!ギンガムチェックが!早く降ろしてもらわないと!全校生徒に私のパンツの柄がバレてしまう!
「那智さんすいませええええん!」
「───うおっ、びっくりした」
突然私の声が聞こえたかのような反応だった。もしかして聞こえてなかったの?
再度降ろしてくださいと伝えれば普通に降ろしてくれた。というか投げつけられた。
床に転がった私。肩をぐるぐると回す那智さん。
そして真顔で、
「お前の事すっかり忘れてたわ」
信じられない事を口にしやがった。
もうやだ。なんなのこの人。逃げたい。帰りたい。