悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「もし『天宮』が天宮神社の意味だとしたら、『天宮神社の人が悪魔を封印した』って意味になるね」

文献を覗き込んだ田辺くんが指をさす。


「あっ、ここ見て!地図が書いてある」

「どこだろう、ここ…」


田辺くんが指さしたのは、あの文章が書いてあった次のページ。

古い地図に、神社のマークと大きな道、田んぼとバツ印が書いてある。

現代の地図と見比べていた美晴が険しい顔をした。


「この場所…今の天宮小学校よ!」

「えっ、天宮小学校!?」


田辺くんは驚いた顔をした。


天宮神社の人によって天宮小学校に封印された悪魔。


「それ、リドのことだ…」


あたしが解いてしまった封印。

俺様悪魔のリドのことだ。



「もし、アキがこのことを知っていたとしたら…」


アキはきっと無茶をして、その方法を探すだろう。


「あ、だからアキは熱を…」


「ちょ、ちょっと、佐奈?」


ぶつぶつ呟くあたしの肩に手を置いた美晴。


「ごめん、あたし、ちょっと行くところがあるから!」


「ちょ、佐奈!?」

「最上さん!?」


「ごめん」と叫ぶと荷物を持って、図書館を走って出た。

アキのところに行きたくて仕方がなかった。
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