悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します！

あたしは走って家に帰った。

美晴からの着信でケータイは鳴っているが、あたしは出なかった。


「ただいま！アキ！」


慌てて家に帰る。


「おかえり」


出迎えてくれたのはリドだった。


「どうした？そんなに急いで」


そんなに俺に会いたかった？なんて笑えもしないジョーダンを言うリドを放っておいて、あたしはアキを探した。


「ただいま！アキ！」


リビングに行ってもアキの姿はどこにもない。


「なんだ騒々しいな。あいつを探してるのか？」


あたしの後ろをついてきたらしいリドが呑気にあくびをしながら尋ねる。

だけど今はどうしてもリドに答える気になれなくて、アキがいつも寝ている場所に向かう。


「アキ！」


だけどそこにもアキの姿はなくて。

布団はきちんと畳まれて、掃除でもしたのか部屋はとても片付いている。


「アキ…どこ行ったの」


部屋の中をうろつくと、布団の上に置手紙を見つけた。


『ちょっと出かけるから。心配しないで。　晃』


綺麗な字。無機質な字。アキらしい、その文字、文章。


「アキ…」


馬鹿だよ。やっぱり馬鹿だよ、アキ。

心配するなって言われて心配しないわけがないじゃん。