悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「朔兄!腕は大丈夫?」
「ああ、なんともない。平気だよ。だから早く、うちにそいつを連れて行こう。晃がいるから、今までのできごと全部話すんだ」
あいつならどうにかしてくれるはずだよ、と朔兄は腕を押えながら微笑んだ。
大丈夫だと朔兄は言うけれど、多分大丈夫じゃないんだと思った。朔兄が嘘をついているんだと思うと胸が痛くなった。
「けど、タイムカプセル…」
するとお姉ちゃんが「大丈夫」と言った。
「タイムカプセルのことはもういいの。そろそろ終わろうと思っていたところだし、それにまたみんなに呼びかけるから。
だから今はさっくんの言う通りに、さっくんの家に行って。
私は家で連絡を待ってるから」
2人が微笑むのであたしは頷くしかなかった。
それからリドを持ち上げて抱えた。重かったらどうしようとも思ったけれど、子猫姿だけあって体重はリンゴ3個分と大して変わりない。
「あっ、おい、佐奈!お前何するんだよ!」
リドが焦ったように喚くが気にしない。
「行こう、朔兄」
それからリドを抱えたあたしと朔兄は、朔兄の家を目指した。