悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!


「失礼しましたー」

あれからリドを職員室に案内して、リドは無事に課題を提出した。

「サンキュー」

助かった、と感謝されたけれど、あたしは大きくため息を吐いた。

「ちゃんと課題は出しなさいよ」

「出しただろ」

「提出期限までにって意味!」

「あれえ?佐奈がそんなこと言うんだあ?課題提出が今日だってことに気づかなくて朝必死にやってたやつはどこの誰かなあ?」

ニヤニヤと意地汚く笑う顔に、あたしは何も反論できなかった。

「うるさいな、間に合ったからいいの!」

「ふうん?」

それで本当にいいんだ、本当にそう思っているんだ、というような顔をしていて、すごくむかつく。

あたしたちの教室は3階。廊下を進んで階段を上っている時、「そういえばさ」とリドは尋ねた。

「佐奈ってさ、あいつとは普段一緒にいないんだな」

意外だった、とリドは不思議そうに言う。

「あいつって、アキ?」

「そ、無愛想な上にオレに敵意向けてつっかかってくる東條の次男坊。このオレ様に対抗しようだなんて本当に無謀なやつ。ちょーっと力があるからって」

なんとまあ散々な言い様にあたしは苦笑した。相当リドはアキが嫌いな様だ。これじゃアキもあたしに頼み込むはずだ、とあたしはちょっと納得した。
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