悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
アキとは昔から一緒だった。
あたしとお姉ちゃんとアキと朔兄で、お互いの家を行き来したり近所の公園に行ったりしてずっと遊んでいた。
アキは修行があるからと遊べないこともあったけど、学校では美春も加えた3人で一緒に過ごしていた。
そのせいで、付き合ってるのかとか好きなのかだとか色々言われることも多かった。小学校のときはクラスの男子にいじられたり、中学校や高校では女子に睨まれたり、アキのことが好きだった人達から呼び出しを食らったり。
だけどそれを差し引いてもアキといる時間は楽しかった。
だからこそ今もずっと一緒にいるんだ。
だけど今は、やるべきことがあるから。
「まあ、そういうこともあるよ」
全てはアキとの約束を守るため。
今まで通りの日常を取り戻すために。
「ふーん」
リドは何か言うかと思ったけど、意外にも何も言わなかった。
「佐奈はあいつと付き合ってんの?」
「はあ!?」
何の脈絡もないことをさらりと言うからびっくりした。
驚きすぎて心臓が痛いくらいに心拍する。
「なっ、何を言い出すの!そんなわけないじゃん!」
アキが聞いたら眉間に深い深いシワを寄せて、思いっきり不機嫌な顔をして睨み付けるだろう。
おまけにあたしにまでとばっちりが来るからたまったものじゃない。この場にアキがいなくてよかった。