悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
見上げればいくつもの星が瞬いていた。

「朔兄、もううちについたかな」

2人はどんな話をするのかな。

お姉ちゃんはちゃんと気持ちを伝えられたかな。

まあ、朔兄に「このままお姉ちゃんをほかの誰かにとられてもいいの?」なんて強い言葉を向けたから、きっと朔兄がどうにかしてくれると思うけど。

「幸せになってくれたらいいな」

2人が一緒で笑いあう姿を想像していると「佐奈」と誰かに呼び止めれた。

振り返るとあたしを呼び止めた人物が分かって心臓が大きくなった。


「何してんの」

「…アキ」


不機嫌なアキがそこにいた。


「夜に1人で出歩くなって言ったよね?きっと兄さんもそう言ったはず」

それなのになんで堂々と約束破ってんの、とアキはすごく怒っている様子だ。

「佐奈に何かったらどうする気」

「まあまあ。アキは何してるの?」

あたしがなだめると、アキは不機嫌に口を開いた。

「散歩」

「こんな時間に?」

「こんな時間に」

悪いか、とでも噛みついてきそうなほどにアキの気は立っている。

最近のアキ、なんだか感情が不安定じゃない?大丈夫?

「佐奈は家から帰る途中?」

あたしが頷くとアキは眉間にしわを寄せた。
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