悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
次の日起きると、いい匂いが台所から漂ってきた。

「ん…?」

「あ、起きた?」

優しい声が聞こえて、それが朔兄のものだと気づいて目が覚める。


「おはよう」

「お、おはよ、朔兄」


朔兄はいつもと変わらない笑顔で挨拶してくれた。


「朝ご飯つくったよ」

「あ、ありがとう…でも今日はあたしが当番だったはず!」

ごめんと謝ると「いいの、いいの」と朔兄は笑った。

「こういうのは時間がある方がすればいいことでしょう? それに俺は佐奈ちゃんより年上だし、それに夏休み中だし、これくらいはしないと」

「まさか、綺麗だなあと思ってたけど部屋の掃除も?風呂場掃除やごみ捨ても!?」

体が鈍っちゃうからね、と笑う朔兄。

どれだけできた主夫ですか。お姉ちゃん幸せ者だな。

すると朔兄はふっと眉を下げて力なく笑った。


「その、佐奈ちゃん、ありがとう」


たったそれだけの言葉で全部分かった。

本当は分かってた。


「はー、ようやくか。ここまで長かったなあ」


腕を組んでうんうんと頷いて、2人がくっつくまでの過去を噛みしめる。

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