悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
また教室の扉が開く。

誰かは分からないが、その人物が入ってきた瞬間に女の子たちが黄色い悲鳴を上げた。

それで分かった。教室に入ってきた人物。


「最上さん、おはよう」


胡散臭い笑顔をまき散らした、俺様悪魔のリドの登場だ。


「…おはよ」

あしらうように低い声でそちらを見ないようにして挨拶すると「ひどいなあ」と王子様のような声色でリドは眉を下げた。


「オレは最上さんに会いたかったのに」


キャアア、と悲鳴が教室中に響き渡る。

あたしは吐き出すように溜息をした。


「よくそんなセリフ言えるね」

「なんのことかな?」


嫌悪感をあらわにするあたしに、リドはキラキラな笑顔でそう答えた。


「本当に迷惑なんだけど」

「え?オレは迷惑ではないけど」

「話聞け」


ニコニコ顔のリドとあたしにはたくさんの視線が注がれていた。

これ以上続けるのはもう無駄だと思い溜息をまた一つ吐くと、まだ話しかけてこようとするリドを無視して1限目の準備を始めた。
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