悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「理由は、山火事を引き起こして町民に甚大な被害を与えたから、だって。山火事だけでなく町の民家まで燃えてしまったらしい。ここに封印した年も書かれていたけど、元禄と書かれていたから江戸時代なのは分かった」
山火事から始まった火が、町の民家まで広がった。ということは。
「俺達が今調べている山火事は天宮大火の原因になった山火事に間違いない」
アキはきっぱりと言い切った。
だけどそれから少し視線を逸らした。
「引き起こした詳しい理由や封印するよう依頼してきた者の名前が書かれていたものは見つからなかった。俺が調べられたのはそれまでだった。ごめん、役に立たなかった」
田辺くんは首を横に振った。
「東條君が調べてくれたおかげで僕達が調べている山火事が天宮大火の発端だと裏付けることができた。それに頼んだのは僕達だよ」
ありがとう、と微笑む田辺くん。
美晴も田辺くんもアキも、あれだけ気づいて、あれだけ調べてくれたのに、自分は何もできなかったという。
あたしの方が、よっぽど何もできていない。
俯いていると「最上さん」と田辺くんは優しい声で名前を呼んでくれた。
「書記、お願いしてもいい?」
にっこり微笑む田辺くん。
「…うん!」
彼にはすべてお見通しのようだった。
ほんと、田辺くんは天使だ。
何度も心の中でそう思いながら、あたしは今日裏付けできた事実をルーズリーフにまとめていった。
山火事から始まった火が、町の民家まで広がった。ということは。
「俺達が今調べている山火事は天宮大火の原因になった山火事に間違いない」
アキはきっぱりと言い切った。
だけどそれから少し視線を逸らした。
「引き起こした詳しい理由や封印するよう依頼してきた者の名前が書かれていたものは見つからなかった。俺が調べられたのはそれまでだった。ごめん、役に立たなかった」
田辺くんは首を横に振った。
「東條君が調べてくれたおかげで僕達が調べている山火事が天宮大火の発端だと裏付けることができた。それに頼んだのは僕達だよ」
ありがとう、と微笑む田辺くん。
美晴も田辺くんもアキも、あれだけ気づいて、あれだけ調べてくれたのに、自分は何もできなかったという。
あたしの方が、よっぽど何もできていない。
俯いていると「最上さん」と田辺くんは優しい声で名前を呼んでくれた。
「書記、お願いしてもいい?」
にっこり微笑む田辺くん。
「…うん!」
彼にはすべてお見通しのようだった。
ほんと、田辺くんは天使だ。
何度も心の中でそう思いながら、あたしは今日裏付けできた事実をルーズリーフにまとめていった。