悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「とりあえず現場にも行ってみたいわね」

「それはそうだね」

田辺くんも美晴の意見に賛成した。

「東條君は?」

「どっちでもいい。みんなに合わせる」

アキはため息交じりにそう答えた。やる気があるのかないのかどっちなのかさっぱり分からない。

「最上さんは?」」

「賛成!」

手を挙げてまで賛成の意を示す。

「決まりだね。善は急げだ。今日の放課後はみんな暇かな?」

「ええ」

「うん」

あたしと美晴は頷いて、アキも「暇だよ」と答えた。

あたしも美晴もアキも、部活動には所属していない上にバイトもしていないから基本的に暇人なのだ。まあアキは実家の修行してるし、美晴は週に1回ピアノを習いに行っているけれど。

「じゃあ今日の放課後に行こう」

「オッケー!」

それからすぐに書記をしなければいけないことを思い出してシャーペンを手に取る。


「元禄、山火事、原因__」

「最上さん、何を書いてるの?」

書くべき内容を忘れないようにブツブツと口に出しながら書いていると声をかけられた。

「天宮大火、封印__あ、ごめんなさい。って、リド!?」

顔を上げると、そこにいたのは俺様悪魔のリドだった。

「リトだよ」

リドはそう訂正するとあたしが書いていたルーズリーフを覗き込んだ。

「へーえ、最上さん達が調べてるのは天宮大火ってやつのこと?」

「そうだよ」

肯定を示したのはこの場で唯一、こいつが人間ではなく小学校に封印されていた俺様悪魔だということを知らない田辺くんだった。

あたしと美晴は表情をこわばらせて、アキは頬杖を突いたままじろりと睨んでいる。
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