悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します！
リドはなおも叫んだ。


「佐奈から離れろ！」

「必ず仕留めてご覧にいれます」


彼はまたリドを見た。その目はあたしを見るときより少し温かいような気がした。


「こいつに攻撃するな」

「なぜです」


理解不能、とでも言いたそうな表情をする。

リドは少し低い声できっぱりと言った。


「そいつに手を出すなと言っているのが分からないのか。そいつから離れろ。

命令だ、ファル」


ファル、と呼ばれた彼は少しの間リドを見つめると「承服しかねます」と答えた。


「いくら貴方様のご命令であっても、そのご命令を承服することはできません。

なぜなら貴方様がこの娘のせいでこの世にとどまり続けているのは明白な事実なのですから」


それから彼はあたしの肩を掴み、光を集めた左手を振り上げた。


「恐れることはない。すぐに終わりますから」

それから彼はその手を勢いよく振りかざした。


もうだめだと思って目を瞑る。


けれど次の瞬間後ろから強い勢いで引っ張られた。


「お前は守るよ」


目を開けるとあたしはリドの腕の中にいた。
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