悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
突然、マッド・ドールの腕は消えてなくなった。
「消滅」
凛としたその言葉は、まるで風のようだ。
ふわりと漂うその言葉の響きだけで邪悪なものが消滅していくような感覚さえした。
はっと顔を上げると、あたしに近づいていたいくつものマッド・ドールの数が少し減っていた。
「まさか、さっきの言葉は…」
すると突然横から腕をグイッと引っ張られた。
「ったく、また巻き込まれてる」
溜息交じりのその声は、今までずっと聞いてきた声だ。
「ほんと、その体質も困りものだね」
「アキ!」
アキがあたしの手を掴んでいた。
「ごめん、遅くなった」
アキはあたしの頬をそっと包むように撫でた。その顔は少し苦しそうで悲しそうだった。
「平気だよ。アキが助けてくれたし、リドも守ろうとしてくれたから」
リドの言葉を出すとアキは不機嫌になる。
だけどあたしを守ってくれたという言葉を聞いたからか、なんだか不機嫌なのかそうじゃないのか、眉をひそめてどっちつかずの表情を浮かべた。
「田辺くんと美晴は?」
あたしが尋ねるとパッと眉間のしわはなくなって「あ、ああ」と拍子抜けしたような返事をした。
「あの2人と花じいには眠ってもらってる。なんだか校庭が悪魔っぽいものでおかしくなってるのは気づいてたから」
花じい元気だったよ、とアキは付け加えた。
それは良かった、と答えるとアキは視線をマッド・ドールに移した。
「で、あれは何?」
「マッド・ドールだって、リドは言った。魂を食べるんだって」
賢いアキはあたしの拙い説明を理解できたのか、「それは困り者だ」と眉を潜めた。
「消滅」
凛としたその言葉は、まるで風のようだ。
ふわりと漂うその言葉の響きだけで邪悪なものが消滅していくような感覚さえした。
はっと顔を上げると、あたしに近づいていたいくつものマッド・ドールの数が少し減っていた。
「まさか、さっきの言葉は…」
すると突然横から腕をグイッと引っ張られた。
「ったく、また巻き込まれてる」
溜息交じりのその声は、今までずっと聞いてきた声だ。
「ほんと、その体質も困りものだね」
「アキ!」
アキがあたしの手を掴んでいた。
「ごめん、遅くなった」
アキはあたしの頬をそっと包むように撫でた。その顔は少し苦しそうで悲しそうだった。
「平気だよ。アキが助けてくれたし、リドも守ろうとしてくれたから」
リドの言葉を出すとアキは不機嫌になる。
だけどあたしを守ってくれたという言葉を聞いたからか、なんだか不機嫌なのかそうじゃないのか、眉をひそめてどっちつかずの表情を浮かべた。
「田辺くんと美晴は?」
あたしが尋ねるとパッと眉間のしわはなくなって「あ、ああ」と拍子抜けしたような返事をした。
「あの2人と花じいには眠ってもらってる。なんだか校庭が悪魔っぽいものでおかしくなってるのは気づいてたから」
花じい元気だったよ、とアキは付け加えた。
それは良かった、と答えるとアキは視線をマッド・ドールに移した。
「で、あれは何?」
「マッド・ドールだって、リドは言った。魂を食べるんだって」
賢いアキはあたしの拙い説明を理解できたのか、「それは困り者だ」と眉を潜めた。