悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「人間ごときに答える必要もない!」

ファルはもう一度右手で左手を支えながらその手のひらをアキに向け、青い光を集めていく。


「いや、答えろよ」


アキの口調は相変わらず穏やかだ。

だけど少しずつ言葉の端々が怖くなっていく。

アキは右手の人差し指と中指だけを立ててファルに向けると「雷神」と呟いた。

するとアキの指から出た黄色い閃光がファルに向かって一直線に向かって伸びた。


「グアァァッ!」


バチバチと電気がファルの体にまとわりついている。


「お前、それは…」

「雷。雷神様の力を借りただけ」

リドのつぶやきが聞こえたのかアキは素っ気なく答えた。


「本当はお前に落としてやろうと思って習得したんだ」

「おっかないこと言うなよ!つーか本人に言うか普通!?」

「よそ見してる場合じゃないでしょ、戦闘中に。なに、バカなの?」

「いや、バカじゃねえよ!お前がおっかないこと言うからよそ見する羽目になったんだろ!?」


リドとアキはまた馬鹿なやり取りを続けている。

ファルはその間に攻撃を仕掛けようと体制を整えていた。

それに気づいたアキはファルの方に視線を移す。


「まあ、リドと話すのはどうでもいいんだけど」

「おい!」

「俺の質問に答えてくれる?お前が佐奈に手を出したのか?」


けれどファルは何も答えずに、右手をアキに向けると青い光を放った。

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