悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
なぜ、とは思わなかった。
俺様悪魔のリドのことだ、おそらく瞬間移動のような魔法を使ったのだろう。
リドなら何でもアリのような気がした。
だけどさすがに驚いたし、それはアキも同じだったようで目を見開いていた。
瞬間移動の魔法はやはり相当のエネルギーを使うのか、ただでさえ瀕死状態のリドは立っているのもやっとのような状態だった。
見ているのも辛くなるほど、リドはフラフラだった。
ぺっ、と唾を捨てるように血を吐いて、ファルを守るようにその両手を広げた。
いくつにも分かれた光の一本一本が、ほとんど力が入らないリドの体に絡みついて身動きを封じていく。
「リド様!」
ファルは信じられないと言わんばかりに顔を歪めていた。悲痛さでいっぱいの顔だった。
それに気づいたらしいリドは「情けない顔すんじゃねえよ、バカ」と力なく笑った。
「お前がこんなことをしねえといけなくなったのは、オレのせいだからな。責任とらねえと、格好もつかねえだろ。それに後からグチグチ言われるのは勘弁だからな」
リドはそれからアキの方を見た。
いつもしかめっ面や挑発するような笑顔ばかりアキに見せるのに、今日は、この時は、悪意の欠片もない優しい笑顔だった。
「ファルを、許してやってくれ」
ファルの目が大きく見開いたのが分かった。
アキは顔をこわばらせた。
「こいつは、何も悪くないんだ。
ただ、オレが勝手にこの世界にやってきたのを、連れて帰ろうとしてるだけで。
だから悪いのは全部オレだ。
確かにこいつは頑固者だし責任感も強いけど、根はいいやつなんだ」
佐奈を危険な目に遭わせて、すぐには許せないとは思うけど。
そうリドは呟いた。
彼の懇願は誰より優しいものだった。
俺様悪魔のリドのことだ、おそらく瞬間移動のような魔法を使ったのだろう。
リドなら何でもアリのような気がした。
だけどさすがに驚いたし、それはアキも同じだったようで目を見開いていた。
瞬間移動の魔法はやはり相当のエネルギーを使うのか、ただでさえ瀕死状態のリドは立っているのもやっとのような状態だった。
見ているのも辛くなるほど、リドはフラフラだった。
ぺっ、と唾を捨てるように血を吐いて、ファルを守るようにその両手を広げた。
いくつにも分かれた光の一本一本が、ほとんど力が入らないリドの体に絡みついて身動きを封じていく。
「リド様!」
ファルは信じられないと言わんばかりに顔を歪めていた。悲痛さでいっぱいの顔だった。
それに気づいたらしいリドは「情けない顔すんじゃねえよ、バカ」と力なく笑った。
「お前がこんなことをしねえといけなくなったのは、オレのせいだからな。責任とらねえと、格好もつかねえだろ。それに後からグチグチ言われるのは勘弁だからな」
リドはそれからアキの方を見た。
いつもしかめっ面や挑発するような笑顔ばかりアキに見せるのに、今日は、この時は、悪意の欠片もない優しい笑顔だった。
「ファルを、許してやってくれ」
ファルの目が大きく見開いたのが分かった。
アキは顔をこわばらせた。
「こいつは、何も悪くないんだ。
ただ、オレが勝手にこの世界にやってきたのを、連れて帰ろうとしてるだけで。
だから悪いのは全部オレだ。
確かにこいつは頑固者だし責任感も強いけど、根はいいやつなんだ」
佐奈を危険な目に遭わせて、すぐには許せないとは思うけど。
そうリドは呟いた。
彼の懇願は誰より優しいものだった。