悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「許せない」


アキはもう一度はっきりそう明言した。

リドは少し悲しそうな顔をした。


「だけど、お前の言葉は受け入れる。

理解しようとするくらいならしてやらないこともない」


その場にいた、アキ以外の全員の目が丸くなった。

アキの言い方は意地を張って分かりにくいけど、きっと理解しようと、歩み寄ろうとしているのだろう。

リドはくしゃりと笑って「やっぱ、お前いいやつだな」と言った。

光はまるで縄のようにリドの体へ、四肢へ、絡みついて光りだす。

そしてリドの後ろにいたファルの体へも、光は絡みつき始めた。


「やっぱ、だめか」


リドは自嘲するように笑った。


「あーあ、また封印されるのか」


また眠るのか、つまんねーの。

リドは大きな声で吐き出すようにそう言うと、あたしをじっとみて、それからふっと笑った。


「佐奈」


もう何度、リドに名前を呼ばれてきただろう。

もう数えることもできないくらい、リドは名前を呼んでくれた。

300年前の心の傷を背負い、あたしを大切に思ってくれながら、名前を呼んでくれていたのかな。


「幸せになれ」


リドは笑った。

今までのどの時よりも素敵な笑顔だった。


リドの体に絡みついた光は強く光りだした。

あまりの眩しさに目も開けていられなくて、あたしは腕で目を覆った。




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