悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
目を開けると、さっきよりもまた一段とあたりは暗くなっていた。

西の空には涙が出るほどの赤。

西から東にかけて、赤、オレンジ、茜、紫、青、と美しいグラデーションで彩られている。

先ほどまでは東の空に薄っすらと縁取られていた濃紺が、空の半分まで広がっている。

濃紺の中にキラキラと光る星をいくつか見つけて、その美しさに思わず心奪われそうにもなるが、すぐに今の現状を知る。


さっきまでそこにいたはずの、リドとファルの姿がどこにもない。

ただ少し離れたところにアキが立っていて、アキもリドがいた場所をじっと見ていた。


「ねえ、アキ」

呼びかけるとアキはあたしの方を見てくれた。


「リドは?どこいったの?ファルは?」


するとアキは近寄ってきて、立ち上がれないあたしと目線を合わせると「封印したよ」と落ち着いた声でそう言った。


「封印したんだ、ここに」


アキが視線を向けたそこは、微かに土の色が違っていた。


「ここに、いるの?」

「そうだよ。眠ってる」


ここに封印されたってことは、もうリドとは会えないってこと。

あたしとリドの契約を壊し、リドを封印するために始まった、3人での生活。

今振り返って考えるとはちゃめちゃだった。

はちゃめちゃだったけど、でも確かに楽しかった。

楽しかった。


「封印しなきゃ、いけなかったのかな」


ぼそりと呟いた声はアキにも聞こえたようで、アキは頷いた。
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