悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します！
「リドとファルが仮にいいやつだったとしても、それでも悪魔は悪魔。

魔の力をもっているやつがいると、他の雑多な悪魔や悪霊がこの町にでてきやすくなる。

そうなったらもっと大変なことが起こったかもしれない」


アキの説明に「そっか」とあたしは答えた。

確かにアキの言う通りかもしれない。

これ以上何か悪いことを引き起こさないためには、封印する以外の方法はなかったのかもしれない。


「だけど、ちょっと寂しいかも」


これからの、リドがいない生活。

3人の共同生活が、なくなってしまう。


アキが何も言わないのでそちらの方を見ると、アキは視線を下に向けながら暗い顔をしていた。


「アキも寂しいんだ？」

ニタリ、と笑ってそう声をかけると、アキは慌てて顔を上げて「何言ってるの！」と声を荒げた。


「そんなわけないでしょ！佐奈、お前何言ってんの、バカでしょ！あんな生意気でむかつく俺様悪魔と生活するのなんてもうこりごりだし封印できてよかったし、清清してるよ！」


まくし立てるような口調でそんなことを言うと、アキは一つ呼吸して、小さな穏やかな声で付け加えた。


「まあ、少しは寂しくなるのかもしれないけど」


その言葉を聞き逃さなかったあたしは、なんだかおかしくなってふふふと笑った。


「な、何笑ってんの！」


アキは真っ赤な顔をして怒る。きっと恥ずかしさもあるのだろう。


「べっつに～？」


ふふふ、にやけてしまってしかたがない。


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