悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「どうしてここにいるの?」

アキはあたしの方には目もくれず、リドを睨みつける。

「オレの勝手だろ」

「あんたの動きを封じるための結界張ってたよね?」

「結界?あんな結界でこのオレを止めれるとでも思ってるわけ?ハッ、おめでたいヤツだな、お前」


勝ち誇ったような顔をするリドに、アキはますます眉間のしわを深くした。


「絶対あんたを封印してやる」


どうしてそんなにリドを嫌うのか、あたしには分からない。

確かにリドは朔兄に危害を加えたし、あたしと契約するし、サイテーなヤツだ。

だけどこのアキの憎み方、嫌い方は、普段のアキを考えても異常だ。


「ちゃんと封印できればいいな?」

「クソむかつく」


余裕の笑みを浮かべるリドと、眉間にしわを寄せて睨むアキ。

バチバチと視線がぶつかり合って緊張感が高まっていたその時だった。


「佐奈ー!」とあたしを呼ぶ美晴の声が聞こえてきた。

その声でバチバチの一触即発な雰囲気がふっと解かれる。

「美晴!」

ナイスタイミング!


「あなた、廊下で何をぼうっとしているの?」


美晴はキョトンと首を傾けた。

どうやら美晴にはリドは見えないらしい。

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