悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
迫る怪物、まるで地鳴りのようなその雄たけび。

もうダメだと思わず目を閉じた、その時だった。


「…っ、おい!コレを切れ!

こいつは切ったら倒せる!」


リドがいらだちを隠せない様子で叫んだ。

はっと目を開けると、こちらに走り込んでくるアキの姿が見えた。


「倒し方が分かってるなら早く教えてよ」


ふう、と溜め息を吐いて懐から札を出して「霊剣」と叫ぶ。

すると手に持っていた札は光に包まれて剣の形になった。


それからアキはその剣を両手で握って、怪物に立ち向かっていく。

狙ったのは、怪物の首だ。


「これで終わらせる」


そうぽつりとつぶやくとアキは剣を振りおろした。

その瞬間、怪物は悲鳴を上げた。

苦しそうに、辛そうに、怒りをまき散らすように、憎しみをぶつけるように、悲しみを嘆くように。

それは金属がぶつかりあうような音でもあったし、いくつもの音がぶつかり合う不協和音のようにも聞こえた。

同時に、剣が刺さった部分から文字が溢れだした。

無数の文字が溢れ出しては空気に馴染んで消えていく。


そして最後の悲鳴とともに、怪物は目が眩むほどの光に包まれた。


目を開けていられなくなって、あたしは腕で目を覆った。




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