ワガママなKiss【短編】


湖都が窓の外に目をやると、そこにはグラウンドで汗を流している陽の姿があった。



「部長さんだもんね…」



流衣とあたしと陽は、小さい頃からずっと一緒にいる、いわゆる幼馴染ってやつだ。



すごいなぁ…こんなに頑張ってる陽は。
…あたしは…



「おい、湖都。」



いきなり名前を呼ばれたあたしは、驚いて体が数センチはね上がる。



「流衣…起こしちゃった?」

「いや、起きてた。…ほっぺつねられた時から。」

「あ、何だ…気づいてたんだ?」

「…お前、何してんの?」

「え…別に何も…」



流衣のことが心配で、なんて言えるわけがない。


「ふ~ん。」
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