ワガママなKiss【短編】



-ガタッ


そう言いながら流衣は立ち上がる。



「な、なに?」


席を立ち、いきなり自分より高くなった流衣を目の前にすると声がうわずってしまう。



「何が原因で、俺と陽がけんかしてるか知ってんの?」

「それは…わかんない…けど。」

「教えてやろうか?」

「ん?うん…?」

「お前の取り合い。」

「は?」



一瞬空気の流れが止まり、時間を刻む針の音だけが耳にまとわりつく。

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