You donot have other than(貴方以外ない。)
大きくなる存在
由姫は、幼稚園の先生として
毎日、子供達と奮闘している。
ただ、子供達の笑顔が最高の
活力みたいだ。
私は、残りの大学生活の殆どを
勉強と実習で過ごして
希望通り、小児科に配属された。
大学の卒業の日は、
ママと由姫が来てくれた。
由姫は、大学に一人残る私を
かなり心配していたから
とても喜んでくれた。
それに・・
佐々木先生が、大きな花束を
持って現れたのには
私もママも驚いてしまったが
由姫は、終始ニヤニヤしていた。
病院勤務では
辛い病気と戦っている子供達に
たまらない気持ちに
なって泣きたいこともある。
でも、皆辛くても
頑張っているのに
私がメソメソしていたら
ダメだと、歯をくいしばって我慢した。
そんなとき、いつも
佐々木先生が、どこからか現れて
頭をポンポンとしてくれた。
何を言うわけでもなく
ただ、隣にいてくれるだけ
でも、そんな先生の
心使いが嬉しかった。
そんな日々を過ごす内に
乃愛の中で、佐々木先生の
存在が大きくなっていた。
ずっと、瑛斗が好きだった。
瑛斗がいれば、なにも要らない
くらい愛していた。
浮気をしたが、いつかは
許して‥‥‥なんて考えていた。
あの子に刺されても
その考えも変わらずにいた。
今すぐは、無理でも
いつかは、また元に戻ると‥‥‥
でも、自分の中で
日に日に、佐々木先生の存在が
大きくなっていることに
乃愛は、戸惑いを感じていた。
由姫に話すと
「乃愛が、そう思うなら
ゆっくり行けばいいんじゃない。
でも、佐々木先生は本気だと
思うよ。」
と、言われた。