You donot have other than(貴方以外ない。)
Ⅳ•••

婚約者現れる


それからも
佐々木先生から
何度も食事を誘われたり
休みに出かける約束をさせられたりした。

その回数が増えると
佐々木先生のファンの看護士さんや
病院スタッフの女性から
意地悪を言われたりすることが
増えていった。

子供みたいな事をすると思い、
気にしないようにしていたが
由姫に話すと
「なんなの?やっかみ?
バカじゃないの!」
と、怒ってくれて
でも、前の事もあるし
「乃愛、くれぐれも気を付けるんだよ。
佐々木先生には、話しておきなよ。」
と、心配された。

私は、先生から告白とかされてる
わけではないし
言うつもりはなかった。

そんなある日
仕事が、終わり帰ろうと
病院からでると
「三井乃愛さんですか?」
と、言われて
「あっ、はい。
三井ですが、どちら様ですか?」
と、聞くと
「私は、有栖川 未希と申します。
佐々木 陸先生の婚約者なんですよ。
貴方が、陸さんと良くお出かけに
なられているみたいですから
ご忠告に上がりました。

結婚するまでは、陸さんが
何をしようと構いませんが
三井さんが、本気になられると
お可哀相だと思いましたので。」
と、言われた。
「えっ、佐々木先生の
婚約者さんですか?
先生には、私が色々ありましたので
心配していただいて
食事をごちそうして
頂いただけです。
不愉快な思いをさせてしまい
申し訳ありません。
以後、気を付けます。」
と、言うと
「あっ、お聞きしています。
元恋人の彼女から刺されて
陸さんが、血をあげたと。
陸さんは、珍しい血液型ですから。
三井さんも同じみたいですね。」
「はい、佐々木先生に命を救って
頂きました。」
と、言いお礼を言って帰宅した。

マンションに帰り、
由姫に電話して
有栖川さんの話をして、
「佐々木先生には
   もう、会わないよ。」
と、言った。

由姫は、
「えーっ、佐々木先生に婚約者?
佐々木先生は、
乃愛に本気だと思っていたのに
嘘だったの?」
と、落胆していた。
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