Love Cocktail
なんで? どうして?
何故、私を抱き締めてるの?
解らない。本当に解らない。
だって、私は貴方にフラれてるんですよ?
「オー……!!」
振り切って叫ぼうとすると、ぎゅっと力をこめられる。
両手で肩を押してもびくともしない。
身体を反らせようとすると、逃がさないように背中と腰を捕まえられた。
ちょっと待って。だから、何故?
困惑していたら、オーナーのどこか必死な表情に気がつく。
黙ったままで、お互いにお互いの顔を必死に見つめ合い、風が吹き抜けて我に返った。
……全然、解らない。それよりも何も考えれない……。
力を抜いたら、オーナーもそれに気がついたみたいだ。
「落ち着いたか?」
「いえ、全然」
「……そうか、それは何よりだな。とにかく話し合いたい」
オーナーは淡々と呟いて、抱き締めていた私を手放すと、キャリーケースの取っ手をカシャン! と短くして持ち上げる。
そして、そのまま来た道を戻りだした。
それもちょっと待て!
「まっ……!」
ちらりとオーナーが振り向く。
サラリと揺れた前髪から、どこか子供のような……。
何かにすがるような……そんな視線が見えて、思わず口を閉ざした。
……駄目ですよ。そんな目に、私は弱いのに。だからその目はズルい。とってもズルいと思う。
無言でいたら、手を差し延べられた。
「来て……くれるか?」
いけない……そう思いつつも、その目には逆らえない……というか、逆らいたくない自分がいて困る。
言葉もなく手を重ねると、とても暖かいぬくもり。
その手に引かれるまま、歩きだした。
何故、私を抱き締めてるの?
解らない。本当に解らない。
だって、私は貴方にフラれてるんですよ?
「オー……!!」
振り切って叫ぼうとすると、ぎゅっと力をこめられる。
両手で肩を押してもびくともしない。
身体を反らせようとすると、逃がさないように背中と腰を捕まえられた。
ちょっと待って。だから、何故?
困惑していたら、オーナーのどこか必死な表情に気がつく。
黙ったままで、お互いにお互いの顔を必死に見つめ合い、風が吹き抜けて我に返った。
……全然、解らない。それよりも何も考えれない……。
力を抜いたら、オーナーもそれに気がついたみたいだ。
「落ち着いたか?」
「いえ、全然」
「……そうか、それは何よりだな。とにかく話し合いたい」
オーナーは淡々と呟いて、抱き締めていた私を手放すと、キャリーケースの取っ手をカシャン! と短くして持ち上げる。
そして、そのまま来た道を戻りだした。
それもちょっと待て!
「まっ……!」
ちらりとオーナーが振り向く。
サラリと揺れた前髪から、どこか子供のような……。
何かにすがるような……そんな視線が見えて、思わず口を閉ざした。
……駄目ですよ。そんな目に、私は弱いのに。だからその目はズルい。とってもズルいと思う。
無言でいたら、手を差し延べられた。
「来て……くれるか?」
いけない……そう思いつつも、その目には逆らえない……というか、逆らいたくない自分がいて困る。
言葉もなく手を重ねると、とても暖かいぬくもり。
その手に引かれるまま、歩きだした。