Love Cocktail
ニッコリ微笑むと、中根さんは首を傾げる。
「リキュール……入ってるのかい? これ」
「はい。クリスマス専用ですので、全部飲んだら泥酔しますよぉ?」
中根さんは、慌ててグラスを置いた。
「こういうセンスはピカ一だね。吉岡さんは」
「こういうセンス“は”って引っ掛かりますが」
「他意はないよ」
小さく苦笑された。
「吉岡。俺はこれで。問題ないだろ?」
こちらの会話は無視して熱心にメニューを眺めていたオーナーが、それを指差しながら私を見た。
「マリブですか。甘いですけどこれ以上飲めるんですか?」
「謹んで君に進呈する」
「しないで下さい。私は勤務中ですからね」
苦笑してマリブの瓶を取ると、中根さんを振り返る。
「危ないので、下がっていて下さいますか?」
「何を……?」
「オーナーのリクエストです」
テキパキと周りを片づけると、マリブの瓶を小さく投げ、くるっと反転したところでボトルのネック部分を持ってキャッチする。
久しぶりにするけど、まずはロールダウンは完璧。
「うーん……コレじゃ普通にお手玉ですねぇ」
独り言を言うと、中根さんは新たにマリブリキュールのボトルを差し出す。
「もうひとつ追加したら?」
「では、投げて下さい」
片手で今度は逆回転のロールアップを見せながら、新しいマリブのボトルを受けて、ロールダウンの要領でボトルを握っている手から反対の手に……山なりの軌道を描く様にキャッチ。
これがホリゾンタルフィリップ。
二本を空中に放り投げながら、タイミングを計る。
続いてはブーメランと、リバーズブーメラン。
これは基本中の基本。
それから一つのボトルを後ろ手から、もう一つのボトルを前から頭上に投げ、回転しながらそれぞれをで掴みとる。
「この広さじゃ、これが限界ですかねぇ?」
ニッコリ微笑むと、お客様から拍手があった。
「あら」
見られてましたか。
ちょっと照れながら、出来上がったマリブミルクのグラスをカウンターに置いた。
「音があれば、もっと盛り上がるんじゃ?」
オーナーの言葉に、天井を見ながら首を傾げる。
「リキュール……入ってるのかい? これ」
「はい。クリスマス専用ですので、全部飲んだら泥酔しますよぉ?」
中根さんは、慌ててグラスを置いた。
「こういうセンスはピカ一だね。吉岡さんは」
「こういうセンス“は”って引っ掛かりますが」
「他意はないよ」
小さく苦笑された。
「吉岡。俺はこれで。問題ないだろ?」
こちらの会話は無視して熱心にメニューを眺めていたオーナーが、それを指差しながら私を見た。
「マリブですか。甘いですけどこれ以上飲めるんですか?」
「謹んで君に進呈する」
「しないで下さい。私は勤務中ですからね」
苦笑してマリブの瓶を取ると、中根さんを振り返る。
「危ないので、下がっていて下さいますか?」
「何を……?」
「オーナーのリクエストです」
テキパキと周りを片づけると、マリブの瓶を小さく投げ、くるっと反転したところでボトルのネック部分を持ってキャッチする。
久しぶりにするけど、まずはロールダウンは完璧。
「うーん……コレじゃ普通にお手玉ですねぇ」
独り言を言うと、中根さんは新たにマリブリキュールのボトルを差し出す。
「もうひとつ追加したら?」
「では、投げて下さい」
片手で今度は逆回転のロールアップを見せながら、新しいマリブのボトルを受けて、ロールダウンの要領でボトルを握っている手から反対の手に……山なりの軌道を描く様にキャッチ。
これがホリゾンタルフィリップ。
二本を空中に放り投げながら、タイミングを計る。
続いてはブーメランと、リバーズブーメラン。
これは基本中の基本。
それから一つのボトルを後ろ手から、もう一つのボトルを前から頭上に投げ、回転しながらそれぞれをで掴みとる。
「この広さじゃ、これが限界ですかねぇ?」
ニッコリ微笑むと、お客様から拍手があった。
「あら」
見られてましたか。
ちょっと照れながら、出来上がったマリブミルクのグラスをカウンターに置いた。
「音があれば、もっと盛り上がるんじゃ?」
オーナーの言葉に、天井を見ながら首を傾げる。