私の声、届きますか?
「ただいまー!」

扉を思いっきり開けてそう叫んだ。私の部屋にいた雪音はとても驚いたようだった。

「お、おかえり……その、あの人の話って……」

ここまで言って雪音は口を紡ぐ。続きはこうだろう。
『姉さんが私の足でまといになってるってこと?』
雪音はいつも私の邪魔になる事を嫌っている。

「大丈夫だよ!それより早くDVD見たい!ね!」

私はそんな事気にせずに話を変えた。

「う、うん。」

「大丈夫だよ!雪音は私の足でまといになんてなったこと無いし、これからも無いよ!私は一番大切なのは雪音なんだから!」

雪音は泣きそうな顔で頷いた。私たちはそのまま何も言わずにDVDを見た。
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