私の声、届きますか?
「わぁ!」

店につき外装を見て私は驚いた。今まで私は和風な家や周りにある一軒家くらいしか見てこなかったからである。

「アイルって外装が綺麗でケーキがすごく美味しいって有名らしいよ。」

「すごい……来てよかった。」

黒井くんは良かったと言うようにホッと胸を撫で下ろしていた。お店に入ると、数人のいらっしゃいませという声が聞こえて美味しそうな甘い匂いがしてきた。

「いらっしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか?」

お店の人が私たちに声をかけてきた。黒井くんが、はい、と答えると、こちらへどうぞ!と元気よく案内してくれた。お店の人が案内してくれた席に荷物を置き、私たちは目的のケーキを取りに行く。

「いろんな種類があるんだねー。どこに何があるかすぐわかる。」

「そうだね、種類別でいろいろオススメとか書いてあるし思ってたよりは親切っぽい。霧ヶ峰さんはなにが好きなの?」

「私はねチョコレートケーキが好きなんだぁ。チョコ系が好きなの。」

私は自然と笑顔で答えた。それを見た黒井くんはなぜか顔を赤くした。私、なんかしたかなぁ?

「またそんな顔を……」

「ん?何か言った?黒井くん?」

「何でもない……」

……やっぱり私、何かしたかなぁ?とにかく私たちはお皿にケーキを乗せていった。
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