幻が視る固定未来
そういえばオレが玄武という位を持ち、尚且つ人とはかけ離れていることを知っているのは母上と助歌の二人しかいない。
恐らく知ればどうなるか、健気に挨拶をしてくる召使い達もきっとオレに対する態度が変わるだろう。そしてそれが尊敬ではなく恐怖の類だと確信出来る。

別に他人がオレをどう見ようとも関係などない。むしろどうでもいいこと。
あぁいっそその方が静かに勉強出来るかも知れない。

けどそれを口止めするのは母上であり、滅多に自分の正体を口にしてはいけないと言われているから誰にも話したことはない。
だからもちろん直属の召使いだろうともオレから自分の招待を明かすつもりは毛頭ない。

そんなことを考えながらさっきの続きの勉強をする。
今の行っている勉強は中学校の教科書には載っていないことばかりであり、それは名門の大学に入るかための受験勉強のようなものだ。
中学の勉強などすでに興味はない。ただ中学校には行かないといけないから行っているだけであり、母上が行かなくていいと許可してくれるならば行くことはないだろう。
そういえば部活というものもあるらしいがそんなお遊びをしているならば家でトレーニングしている方がよっぽどマシ。
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