幻が視る固定未来
理由はただ一緒にいたいから。
付き合ってるからいいと思う。けどそれは“形だけ”の付き合いのはず。それは十分に分かっている。だからこそ、オレはどれくらいまで付き合えるのか、その限界を知りたい。
……それが今のオレの言い訳。本当はただ単純に“一緒にいたい”だけ。だって有希乃といると、なんか楽しいから。幸せだと感じることが出来るから。
この感覚を失いたくないから一緒にいて欲しいんだと思う。
――そういえば、オレと有希乃が恋人同士であることを知っているのは誰もいない。二人だけの秘密。そのかいあってか助歌はこのことを知らない。つまりそれは母上も知らないということ。
言うまでもないが、オレが恋人など作ることなどありえない。オレの未来は決まっているのだから。玄武として相応しい女と付き合い、そして結婚までするだろう。まだ許嫁というものはいないが、ひょっとすれば高校生になったら現れるかもしれない。
――もしそうなったらオレと有希乃の関係はどうなってしまうだろうか?
そうなったらきっと普通の友達に戻り、そして幻視灼蜘というオレの召使いに戻るのだろう。
――愚かなオレは、そうやって幸せの盲目に思考が良い方向にしか向けなかった。
付き合ってるからいいと思う。けどそれは“形だけ”の付き合いのはず。それは十分に分かっている。だからこそ、オレはどれくらいまで付き合えるのか、その限界を知りたい。
……それが今のオレの言い訳。本当はただ単純に“一緒にいたい”だけ。だって有希乃といると、なんか楽しいから。幸せだと感じることが出来るから。
この感覚を失いたくないから一緒にいて欲しいんだと思う。
――そういえば、オレと有希乃が恋人同士であることを知っているのは誰もいない。二人だけの秘密。そのかいあってか助歌はこのことを知らない。つまりそれは母上も知らないということ。
言うまでもないが、オレが恋人など作ることなどありえない。オレの未来は決まっているのだから。玄武として相応しい女と付き合い、そして結婚までするだろう。まだ許嫁というものはいないが、ひょっとすれば高校生になったら現れるかもしれない。
――もしそうなったらオレと有希乃の関係はどうなってしまうだろうか?
そうなったらきっと普通の友達に戻り、そして幻視灼蜘というオレの召使いに戻るのだろう。
――愚かなオレは、そうやって幸せの盲目に思考が良い方向にしか向けなかった。