幻が視る固定未来
木下と顔を合わせたのは出会った日と学校のある日の朝であるから話らしい話を全くしていない。
だから今日の朝のようなことが起きる。
とりあえず話し合いはしないといけないようだ。きっとそうしないとこの先思いやられるのは目に見えている。

オレは授業のほとんどを聞かずに、木下に何を話さないといけないか、何を聞かないといけないかを考え、結局そんなことで学校のチャイムは最後の音を鳴らしていた。
結局思いついたことは少ない。というか考え付かない。
前までなんでもこなす助歌が召使いだったから何も考えることはなかったが、今回ははっきり言って強敵だ。

……だが一番やりたいことがある。それは木下に会ってからすることとしよう。楽しみはとっておくのが一番だから。

他に思いついたことというか聞きたいこと。それはやっぱり木下有希乃について。
何でもいい、とりあえずなんでもいいからあの表情を一つでもいいから変えてみたい。
そのために一番有効なのは得意なことよりも不得意なことだろう。けど本人がそれを教えるだろうか?
いやいや、そんなことを聞くなら母上に聞いた方が早いか。でもそうゆうことは本人の口から聞きたいものだ。
それに今更こんな帰り道に考えてもしょうがないし、家に帰ったら聞いてみるか。
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