幻が視る固定未来
こんな逆転劇、想像もしてなかった。
だってオレの不安要素である“人外”を同情や理解しようとするのではなく、全く同じ存在なのだから気にする必要がない。
オレは同じ遭遇、つまり同じ運命を持つ守護四神こそ、この立場を理解できる人たちだと判断していた。
まだ、他にもいたんだ。
こんなにもすぐそばにいたんだ。
理解されたくない“人とは違った”部分を理解ではなく、それがそいつにとって当り前のこと。
「なぁ有希乃」
「何?」
「なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ」
「言う機会がなかったから」
「こっそりでも良いから、教えてくれればよかったのに。だって有希乃はオレのこと知ってたんだろ?」
「元々私は幻視灼蜘という玄武の召使いとして来たから。ほとんどのことは熟知している」
そりゃ反則だ。
もう笑うことしか出来ない。こんなにもおかしいことはそうあるものではない。
こんな状況でも笑える感情など持ち合わせているのだろうか?
けど現実のオレは大声で笑っている。こんなにも……安心してしまったから。
「あはは、本当に、本当に有希乃はオレにいろんな初めてをくれる。こんなにもおかしいことは、あはは、ない。ぜ」
そっと感じる有希乃の指先。
スッと静かに頬を伝る指先には優しさと温かさが残る。
「笑うのか泣くのか、はっきりして欲しい。どうすればいいのか困る」
悪い有希乃。こんなにもオレの視界が水浸しなんだ。どうしょうもないくらい溢れてくるんだ。まるでオレを溺れさせるように。
だから、離さないでくれ。その指を……。
だってオレの不安要素である“人外”を同情や理解しようとするのではなく、全く同じ存在なのだから気にする必要がない。
オレは同じ遭遇、つまり同じ運命を持つ守護四神こそ、この立場を理解できる人たちだと判断していた。
まだ、他にもいたんだ。
こんなにもすぐそばにいたんだ。
理解されたくない“人とは違った”部分を理解ではなく、それがそいつにとって当り前のこと。
「なぁ有希乃」
「何?」
「なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ」
「言う機会がなかったから」
「こっそりでも良いから、教えてくれればよかったのに。だって有希乃はオレのこと知ってたんだろ?」
「元々私は幻視灼蜘という玄武の召使いとして来たから。ほとんどのことは熟知している」
そりゃ反則だ。
もう笑うことしか出来ない。こんなにもおかしいことはそうあるものではない。
こんな状況でも笑える感情など持ち合わせているのだろうか?
けど現実のオレは大声で笑っている。こんなにも……安心してしまったから。
「あはは、本当に、本当に有希乃はオレにいろんな初めてをくれる。こんなにもおかしいことは、あはは、ない。ぜ」
そっと感じる有希乃の指先。
スッと静かに頬を伝る指先には優しさと温かさが残る。
「笑うのか泣くのか、はっきりして欲しい。どうすればいいのか困る」
悪い有希乃。こんなにもオレの視界が水浸しなんだ。どうしょうもないくらい溢れてくるんだ。まるでオレを溺れさせるように。
だから、離さないでくれ。その指を……。