幻が視る固定未来
本人いわく、不可能でもないけど相当の神素を使うらしいのでやりたくないそうだ。まぁ燃費が悪いってことだろうな。

そうして怪我のことは気にしないでいられるが、いきなりそんなことを言われても無理だ。

はいそうですか、だったら怪我します。

なんて素直にできるのはどこのどいつだ? よほど怪我することが好きなやつ以外いないだろう。つか! そんな奴いない。

まぁ自ら怪我したいとは思いたいけど、どうにもオレは怪我する運命だったらしい。

だって有希乃本気なんだもん。

拗ねるように言うしかあるまい。だって竹刀という凶器を持った有希乃は怪我をしても治せるという特権で、好き放題オレがギブするまで止まらない。危険を察して先にストップと言っても、一撃を放ってから止めるという苛め。

あぁ誰か、この暴走列車を止めてくれ。ホント、マジで。

そうしてオレはずっと木下にいじめられながら戦うのだった。
怪我と言ってもまだかすり傷程度。それでもかなり痛い。傷を負わされるのは好きじゃない。
相手が有希乃だから許せるが、もし相手が違えば絶対に許さない。
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