幻が視る固定未来
そういえばオレが、このまま沈黙で勉強をしてると木下は何をしているのだろうか?

そう思ってオレはチラッと木下を見ると、立ったまま背中から一冊の本を取り出し読んでいたから驚きだ。
何を読んでいいるかはカバーをしているから分からないけど、読書の趣味は一番ありえそうだな。ついでに何を読んでいたのか後で聞いてみるか……と、手が止まってたな。

そう思ってオレが勉強を再開すると後ろから、
「公式三を用いる」

木下が背後から声をかけてきた。

「はい?」

思わずオレが聞き直してしまったが改めて考えてみると、木下が言ったのはオレがちょうど手を止めてしまった所の問題のこと。手が止まっていたから分からないと思ったのだろう。

けどこいつ、よくこの問題が分かったな。オレよりも年下のくせに。そうゆう所が優秀なんだろうな。
オレが理解したと判断したのか木下はまた定位置に戻りまた読書を始めていた。
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