幻が視る固定未来
放課後、オレは教室から出ることはなく、芳原の席に向かう。もっと詳しく話をするために。

昼休みはタイミング悪く、あの後にすぐにチャイムが鳴ってしまった。
芳原はオレの一言に満足して、そしてチャイムに救われたと言わんばかりに赤面しながら先に教室に戻った。
何にも話をしていない。オレが何に苛立ち、本当の怒りは誰でもなく自分にしていたことだと。それを自らの身を呈して受けとめてくれた芳原には、全てを話さないといけない。
いや、話さないと気が済まない。

「芳原、ちょっといいか」
「うん、灼蜘君から来なかったら私から行っていたつもりだよ」

そうゆう割には動こうとはせずにオレを待っていたな。オレが来ると分かっていたんだろうな。
そのまま帰宅準備をしたまま、オレ達は昼休み行った屋上までの階段に移動した。
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