幻が視る固定未来
しかし、よくそこまで分かったな。オレが有希乃と付き合いだすきっかけの部分を。
婚約者の問題は後から出てきた。最初はただ言いたかった。オレは“有希乃と付き合いたい”と自分の口で。
恥ずかしくなって取り消そうとしたが、有希乃がオレの言葉に首を縦に振ってくれた。
そうしてオレ達は付き合いだしたんだ。
それが解答。
しかし、今、この場でどうしてそんなことに疑問を抱く? もっと別な問題点とかないのだろうか。
少し考えたがオレは思ったことを言い返した。
「芳原が言ったことは間違ってない。けど完璧でもない。それにそんな問題、今更聞いてどうするんだ?」
「認識だよ」
「認識?」
「うん。灼蜘くんは木下さんのことを仮の恋人としか言わなかった。だから灼蜘くんの口から木下さんが好きってもう一度ちゃんと聞きたかった。そうしないと納得できない」
「納得できないって、何にだ?」
「もちろん、ここ数日まで灼蜘くんの態度に、だよ。ただ召使いがいなくなってあれだけ荒れてたなら、私、灼蜘くんに失望してたから」
笑顔の芳原の言葉には言うまでもない、棘がある。
そんな芳原の態度に驚きながらも、言わないといけない言葉はきっとこれだ。
「オレは有希乃が好きだ」
「うん、よろしい」
万年の笑みで言われた。
どうやらオレの解答はパーフェクトのようだ。安心したというのが本音だろう。
婚約者の問題は後から出てきた。最初はただ言いたかった。オレは“有希乃と付き合いたい”と自分の口で。
恥ずかしくなって取り消そうとしたが、有希乃がオレの言葉に首を縦に振ってくれた。
そうしてオレ達は付き合いだしたんだ。
それが解答。
しかし、今、この場でどうしてそんなことに疑問を抱く? もっと別な問題点とかないのだろうか。
少し考えたがオレは思ったことを言い返した。
「芳原が言ったことは間違ってない。けど完璧でもない。それにそんな問題、今更聞いてどうするんだ?」
「認識だよ」
「認識?」
「うん。灼蜘くんは木下さんのことを仮の恋人としか言わなかった。だから灼蜘くんの口から木下さんが好きってもう一度ちゃんと聞きたかった。そうしないと納得できない」
「納得できないって、何にだ?」
「もちろん、ここ数日まで灼蜘くんの態度に、だよ。ただ召使いがいなくなってあれだけ荒れてたなら、私、灼蜘くんに失望してたから」
笑顔の芳原の言葉には言うまでもない、棘がある。
そんな芳原の態度に驚きながらも、言わないといけない言葉はきっとこれだ。
「オレは有希乃が好きだ」
「うん、よろしい」
万年の笑みで言われた。
どうやらオレの解答はパーフェクトのようだ。安心したというのが本音だろう。