幻が視る固定未来
「あ……」
気がつけば、そこは自分の部屋の前ではない。
最近になって知った部屋。誰もいない部屋であり、思い出が残された寂しい部屋。
オレは有希乃の部屋の前に立っていた。
有希乃の居場所を取り戻す。そう決心してから一度も足を運ばなかった部屋に、またオレは足を運んだ。
この部屋に来ることになるとは……またオレは弱気になってるんだな。
そんな感想と共に、オレは吸い込まれるように部屋に入るが、闇に包まれた世界。電気がついてないのだから当たり前だろう。
手探りでスイッチを探し、そして見つけ出してスイッチをつけた。
蛍光灯の光によって現れた部屋。だけど見間違うはずも、忘れるはずもない部屋。そこにはオレとの思い出がただ空しく置いてあるだけだった。
有希乃の匂いを忘れてしまった。ここにはもう有希乃の香がない。
ベッドに座り込む。
「はぁ」
同時に出る溜息。
なぁ有希乃。オレ、二週間でアウトっぽいぞ?
頼むから戻ってきてくれ。もう限界なんだ。打つ手なくなっちまった。二度とここにこれなくなる前にもう一度だけ会わせてくれ。
「会いたいんだよ」
誰もいない部屋に向かって話すオレ。
気がつけば、そこは自分の部屋の前ではない。
最近になって知った部屋。誰もいない部屋であり、思い出が残された寂しい部屋。
オレは有希乃の部屋の前に立っていた。
有希乃の居場所を取り戻す。そう決心してから一度も足を運ばなかった部屋に、またオレは足を運んだ。
この部屋に来ることになるとは……またオレは弱気になってるんだな。
そんな感想と共に、オレは吸い込まれるように部屋に入るが、闇に包まれた世界。電気がついてないのだから当たり前だろう。
手探りでスイッチを探し、そして見つけ出してスイッチをつけた。
蛍光灯の光によって現れた部屋。だけど見間違うはずも、忘れるはずもない部屋。そこにはオレとの思い出がただ空しく置いてあるだけだった。
有希乃の匂いを忘れてしまった。ここにはもう有希乃の香がない。
ベッドに座り込む。
「はぁ」
同時に出る溜息。
なぁ有希乃。オレ、二週間でアウトっぽいぞ?
頼むから戻ってきてくれ。もう限界なんだ。打つ手なくなっちまった。二度とここにこれなくなる前にもう一度だけ会わせてくれ。
「会いたいんだよ」
誰もいない部屋に向かって話すオレ。