幻が視る固定未来
――あきらめるしかない。
それがオレの見出そうとしている答え。だってもう変えられないんだから。そして抗えば抗うほど、婚約者となる人に感情を抱くことができなくなる。
さっさと認めるしかないんだ。きっと今日の話で全てが決定する。
分かるか有希乃。今日しかチャンスがないんだぜ? 戻ってこれるとするなら今日だ。今日を過ぎれば、オレはもう、有希乃……お前を諦める。
そう、決めざるを得ない。
夕焼けが赤々しく目立ってきている空。きっと高い位置にいるオレは一番にこの赤に気がついただろうな。
……どうやら。もう泣く涙もないらしい。
オレはただ夕焼けを見るしか出来ない。本当に意味もなく、ただここで何時間も過ごしてたんだろうな。
永遠と一人で自問自答していた。
それで答えが出ていたなら、どれほど楽にこの場をされただろうか。
答えは結局出ていない。
なんの答え? 有希乃に今日会えなければ諦めるということ?
違うんだ。オレはきっと有希乃を忘れられる訳がないんだ。諦められる訳がない。どうして忘れられる?
そうして赤すら消えて闇が見えるくらいになってもオレは屋上にいた。
冷たい風だけがここには存在する。まるでオレの思考を冷ますかのようにただ、冷たい風が流れている。
ああ、いっそのことこのままオーバーヒートしたってよかったかもしれない。
それでも時間は迫る。もう行かないと時間に間に合わない。
だから、何も答えが出ないまま、オレは屋上を後にすることしか出来なかった。
それがオレの見出そうとしている答え。だってもう変えられないんだから。そして抗えば抗うほど、婚約者となる人に感情を抱くことができなくなる。
さっさと認めるしかないんだ。きっと今日の話で全てが決定する。
分かるか有希乃。今日しかチャンスがないんだぜ? 戻ってこれるとするなら今日だ。今日を過ぎれば、オレはもう、有希乃……お前を諦める。
そう、決めざるを得ない。
夕焼けが赤々しく目立ってきている空。きっと高い位置にいるオレは一番にこの赤に気がついただろうな。
……どうやら。もう泣く涙もないらしい。
オレはただ夕焼けを見るしか出来ない。本当に意味もなく、ただここで何時間も過ごしてたんだろうな。
永遠と一人で自問自答していた。
それで答えが出ていたなら、どれほど楽にこの場をされただろうか。
答えは結局出ていない。
なんの答え? 有希乃に今日会えなければ諦めるということ?
違うんだ。オレはきっと有希乃を忘れられる訳がないんだ。諦められる訳がない。どうして忘れられる?
そうして赤すら消えて闇が見えるくらいになってもオレは屋上にいた。
冷たい風だけがここには存在する。まるでオレの思考を冷ますかのようにただ、冷たい風が流れている。
ああ、いっそのことこのままオーバーヒートしたってよかったかもしれない。
それでも時間は迫る。もう行かないと時間に間に合わない。
だから、何も答えが出ないまま、オレは屋上を後にすることしか出来なかった。