幻が視る固定未来
けど、有希乃はちょっと苦しみながらも耳元で囁く。
「まだ、やることが残ってる」
そう、再会できて喜ぶのはまだ早い、それは一時の喜び。
それを理解したオレは有希乃を離す。
だけど、打破する手を見つけられなかった。婚約者の登場により、完全に有希乃の居場所はなくなった。多分、それは助歌から聞かされただろう。
せっかく会えたのに、オレは何もできないのか。
後悔するオレとは違い。有希乃は再会から変わることのない無表情で一言。
「私は言った。大丈夫と」
そう、確かに言ったんだ。けど、それはどうゆう意味だ?
オレが聞き返す前に有希乃は母上の前まで歩き出した。
母上は有希乃の登場に驚かない。むしろ、さっきよりも険しさが消えている。
有希乃の登場で母上に余裕が出来た? なんでだ。
そんなオレの疑問に対する予測すら見出す前に有希乃は口を開く。
「お久しぶりです」
「木下有希乃。話したいことは色々とあります。けど、ここにあなたの居場所はない。分かってますね。灼蜘には婚約者もいます。あなたはここにいてはいけない存在です」
「それは間違い」
有希乃、お前はどんな反撃を見せてくれる?
オレから援護できることは出来ないらしい。まず、有希乃が何を言いたいのか分からないから。
見守る。それがオレに出来ること。隙あらば援護してみせる。
「まだ、やることが残ってる」
そう、再会できて喜ぶのはまだ早い、それは一時の喜び。
それを理解したオレは有希乃を離す。
だけど、打破する手を見つけられなかった。婚約者の登場により、完全に有希乃の居場所はなくなった。多分、それは助歌から聞かされただろう。
せっかく会えたのに、オレは何もできないのか。
後悔するオレとは違い。有希乃は再会から変わることのない無表情で一言。
「私は言った。大丈夫と」
そう、確かに言ったんだ。けど、それはどうゆう意味だ?
オレが聞き返す前に有希乃は母上の前まで歩き出した。
母上は有希乃の登場に驚かない。むしろ、さっきよりも険しさが消えている。
有希乃の登場で母上に余裕が出来た? なんでだ。
そんなオレの疑問に対する予測すら見出す前に有希乃は口を開く。
「お久しぶりです」
「木下有希乃。話したいことは色々とあります。けど、ここにあなたの居場所はない。分かってますね。灼蜘には婚約者もいます。あなたはここにいてはいけない存在です」
「それは間違い」
有希乃、お前はどんな反撃を見せてくれる?
オレから援護できることは出来ないらしい。まず、有希乃が何を言いたいのか分からないから。
見守る。それがオレに出来ること。隙あらば援護してみせる。