幻が視る固定未来
オレが風呂につかっている最中、いつもの仏頂面でバスタオルだけを捲いて現れた時は思わず叫んでいたはずだ。
表情以上に感情や恥というものを知らないのだろうか。いやないだろう。じゃないと平然と風呂場に現れない。
恐らくこの時、オレが木下に嫌な予感を覚えさせた瞬間で、尚且つこれからのことを本気で指導しないといけないと決心した時だろう。
――けど中途半端なことを言うだけでは無意味。故に“トイレに行く”という行動を伝えても『だから付いてくるなよ』とまで言わないと木下は平然と付いてくる。
はっきりとした“命令”が木下には必要。けど逆に木下は一度言ったことに対しては絶対に忘れない。だから苦労するのは今のうちだろうが全てのことを言っておかないといけない今は正に地獄だ。
……そういえば木下はどこにいてもオレのことを『灼蜘』と呼んでいる。他の召使いの前でも躊躇の一つもない。
まだ助歌の前では呼んでいない、というか会っていないから分からないが恐らく変わらないだろう。それでも一応は試す価値はあるから機会があれば試すつもり。
苦労する日々の中、今日もまた苦労の変わらない日が続く。
表情以上に感情や恥というものを知らないのだろうか。いやないだろう。じゃないと平然と風呂場に現れない。
恐らくこの時、オレが木下に嫌な予感を覚えさせた瞬間で、尚且つこれからのことを本気で指導しないといけないと決心した時だろう。
――けど中途半端なことを言うだけでは無意味。故に“トイレに行く”という行動を伝えても『だから付いてくるなよ』とまで言わないと木下は平然と付いてくる。
はっきりとした“命令”が木下には必要。けど逆に木下は一度言ったことに対しては絶対に忘れない。だから苦労するのは今のうちだろうが全てのことを言っておかないといけない今は正に地獄だ。
……そういえば木下はどこにいてもオレのことを『灼蜘』と呼んでいる。他の召使いの前でも躊躇の一つもない。
まだ助歌の前では呼んでいない、というか会っていないから分からないが恐らく変わらないだろう。それでも一応は試す価値はあるから機会があれば試すつもり。
苦労する日々の中、今日もまた苦労の変わらない日が続く。