幻が視る固定未来
昼休みになり早速、奈々が話しかけてきた。

「灼蜘君はどこの高校に行くの? さっき決まってるって言ったけど」
「多分、奈々の思ってるような高校じゃないだろうな。オレは神路高校に行く」
「えぇ、神路高校!? 知識もハイレベルだけど灼蜘君なら余裕だろうけど……あそこは何より武道を尊重する高校だから、何かスポーツをしてないと入れないよ?」

その通り。神路高校に入るために必要な条件は学力よりも武道を心がけているかだろう。しかもただ武道を心がけているだけじゃない、全国で争っているようなレベルじゃないと無理と聞く。

オレははっきり言って部活なんてしてない。帰宅部なんだしな。
家に帰れば特訓として各種色々な武道やスポーツをしている。だけどそれは学歴には一切記載されないこと。

奈々は思うだろう。学力だけで神路高校に受かるつもりでいると。
しかしそれは全て“表”の事情。そしてオレは“裏”の事情で神路高校に受かる。
裏だからといって不正をするほどオレは落ちちゃいない。裏の事情とは神路高校に纏わる言い伝え。
 
その言い伝えは、昔、神路高校が建てられる前にその土地はエデンに最も近い地であるったということ。
そして生神が剣により死神を封印した場所だとも言われてる。
その封印の剣は神路高校のどこかに隠されているそうだ。だから封印者である生神は必ずこの神路高校に来る。
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