幻が視る固定未来
本来ならば生神は神であるため転生を繰り返し子を宿すことはない。
よくは知らないが母がエデンにいた時代には生神が子を宿したらしい。神の恋沙汰は禁忌らしく、それで元々封印されていた死神が復活したらしい。
その戦いで生神は自分の命を代償に死神を封印して、その子が新たに生神を継いだらしい。

その生神を継いだ子がオレの二つくらい下らしい。だからこそ生神は神路高校に来る。
その時に守護四神の玄武であるオレがいないと存在価値がない。それは運命でも宿命であもあるし、固定された未来であると言っていいだろう。

オレが玄武であることを捨てない限り、神路高校に行き生神の生まれ変わりの傍にいないといけない。何も出来ない、何も起こらないとしてもだ。
だからこそオレは神路高校に行くし、きっとオレが玄武であるなら神路高校に入学する。それは決定事項なんだからな。

固定未来に振り回されるつもりはないが、ただ生神に会いたいという理由で入学するんじゃない。
今のオレが行くと思ったんだ。きっと他の守護四神も集まるだろう。オレは生神よりもそっちに会いたい。オレと同じ存在達、仲間達に。

「すごい気迫だね。もう明日受験でもいいって感じだよ」
「あぁ明日と言わず今からでも構わない」
「う、それだと私が困るよ」

苦笑いする奈々だが楽しそうだった。
奈々には全てのことを話した。すでに有希乃がいなくなったことは話したし、後は帰ってきたことを話すだけだった。
けど奈々はオレの表情から有希乃が帰ってきたことを理解したらしく、先に言われた。
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